開発者ブログ

2025.02.25

BtoB 卸サイトについて知っておくべき事

はじめに

当社ではEC-CUBEやshopify、カラーミーなどEC担当者なら一度は聞いたことがあるオープンソースやASPを使った一般的なECサイトの開発を承ることが多いのですが、最近相談が増えてきたのが企業間取引のためのECサイト。いわゆるBtoB(B2B)ECサイトと言われるものですが、企業が他の企業や店舗に商品やサービスを提供するためのオンラインプラットフォームです。

クーポンやポイント機能などをはじめ、様々なプロモーション、マーケティング機能が求めれるBtoC向けのECサイトとは異なり、段階的な価格設定や取引先別の支払い条件設定など企業間取引に特化した機能を求められることが多く、受発注双方の効率化や顧客との関係強化を意識した開発が求められます。

今回はそのBtoBサイトについてまとめてみました。

 

BtoBサイトでよく求められる機能

BtoBであれ、BtoCであれ、商取引という点では変わらないのですが、先述のとおり、求められる機能が異なってきます。ここでは、BtoBサイトでよく求められる機能や特徴について上げさせていただきます。

1,会員制アクセス

多くのBtoBサイトでは、事前に会員登録や審査を経た企業さんや店舗さんのみが利用できるようになっています。
これにより、信頼できる取引先だけに限定して商取引が可能になります。
会員にならないと購入できない、価格が表示されない、サイト自体が見れないなど、制限の仕方は様々ですが、会員管理と閲覧制限などの機能は必須とされるケースが多いかと思います。

2,複雑な価格設定・割引体系

新たに企業間取引を始めます!というケースは少なく、これまでFAXやメールなどで発注書や見積書をやりとりしながら取引を行ってきた企業さんが新たにEC環境を用意するというケースがほとんど。
そうなると、これまでの価格設定や取引条件を反映させる必要が出てきます。

どの企業さんも、「購入数や金額に関係なく一律条件ですよ」というケースであればシンプルなんですが、注文量や顧客、販売チャネルによって異なる価格を設定するケースも多く見受けられます。
特定の条件下でボリュームディスカウントや早期割引を提供する機能が搭載されていることもあります。

3,大口注文対応

BtoBサイトは、通常、大量注文に対応しています。卸売り業務に特化したプラットフォームでは、注文単位を柔軟に設定できるほか、大量注文時の納期や配送(複数箇所への納品など)に関する特別な対応が求められることがあります。

4,受注・発注管理機能

受発注の一元管理を行うことで注文履歴や納期管理が効率化されます。これにより、これまで都度行ってきた見積書や発注書のやりとり、稟議申請などのフローがシンプルになることが多いのですが、在庫管理や社内システムなど他のシステムとの連携要件などもあり、”どこまでやるか”というのがポイントとなる機能でもあります。

再注文やカタログ注文(商品一覧からの注文)、顧客ごとの履歴管理や過去の取引データに基づく提案機能なども可能で、受注・発注業務を円滑に進めるために運用上重要なポイントとなります。

5,見積書・請求書の自動発行

BtoBサイトでは、多くの場合、見積書や請求書、領収書などの帳票類が簡単に発行できる機能が備わっていることが求められます。そもそもなぜ企業間の取引をECサイトで行うのかという目的にもよりますが、これにより、商談完了までのスピードが上がり、取引のタイムラグを減らせます。
見積書の承認機能など、社内外のフローをシステム上に組み込みたいというケースもあり、ただの受発注機能ではなく、ペーパーレスや業務効率改善を目的とした観点から検討される機能とも言えます。

6、クレジット決済や掛け払い対応

BtoB取引では、月末や月初にまとめて請求するいわゆる「掛け払い」のシステムが多く採用されています。一般的な商習慣を引き継ぐ形で掛け払いが多いと思われますが、店舗さんへの卸業務などではクレジット決済や銀行振込などを求められるケースも多く、商品や取引内容によって採用される決済機能が異なってきます。

また、与信管理や入金サイクルなども決済まわりで検討するべきポイントとして上げられます。

7,在庫・納期のリアルタイム表示
卸売業者や製造業者にとって、在庫や納期の管理は非常に重要です。BtoBサイトでは、在庫数や納期の目安をリアルタイムで表示し、顧客が購入計画を立てやすくする機能が求められます。

8,カタログ機能
顧客が商品をスムーズに閲覧できるよう、カテゴリー別や検索機能、絞り込み機能を備えたカタログが提供されることが多いです。
PDFカタログのダウンロード機能や、オンライン上で商品情報を比較する機能も追加されています。

※どれもC向けとは違ったニーズを満たす必要性が求められます。

卸売りBtoBサイトの利点

効率的な商取引:オンラインでの注文が可能になり、取引スピードが上がり、業務の効率化が図られます。
コスト削減:見積書や請求書の発行を自動化し、紙のコストや人的コストを削減できます。
アクセスのしやすさ:リアルな卸ビジネスをインターネット空間に構築することにより24時間利用可能で、顧客がいつでも発注や在庫確認ができるようになります。

 

主な卸売りBtoBサイトの構築方法

卸売りBtoBサイトは、顧客ごとに異なる価格設定、見積書発行、大口注文、掛け払い対応などが求められるため、これらに対応したプラットフォームを選ぶことが重要です。

代表的な選択肢として以下のプラットフォームが挙げられます:

EC-CUBE: 日本のオープンソースECプラットフォームで、カスタマイズ性が高く、BtoB向けにもよく利用されます。
Shopify Plus: カスタマイズに対応し、サブスクリプションや多言語対応など、グローバルに強いプラットフォーム。
Magento: グローバルで人気のオープンソースECプラットフォームで、BtoB機能に特化したアドオンが豊富。
Salesforce Commerce Cloud: 特に大規模な企業に向けたクラウド型プラットフォームで、高度なBtoB機能を持ちます。
Bカート:BtoB向けに特化した日本製のツールで、会員制、掛け払い、個別価格設定、大量注文対応などの機能が充実しています。

 

さいごに

いかがでしたでしょうか?
卸売りBtoBサイトはECビジネスの中でも今後の伸びが期待できる分野ですが、発展途上ともいえる領域で、より専門性が求められます。
こちらの記事が参考になれば幸いです。
尚、当社では、ECサイトの構築はもちろんですが、既存ECサイトの保守・運用、乗り換えのご相談なども承っています。
「ECサイトを立ち上げたい」「どこに相談したらいい分からない…」「まだ検討中だが相談に乗って欲しい」というお悩みやサイトに関するご相談がありましたら気軽にご連絡ください。

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